24.更生保護制度(H30年-第31回)

問題147 保護観察制度に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
1 保護観察では,施設収容を伴う処遇は行われない。
2 仮釈放を許された者には,保護観察が付される。
3 刑の一部の執行猶予を言い渡された者には,保護観察が付されることはない。
4 保護観察所は,都道府県によって設置される。
5 保護観察は,少年を対象としない。
 
基本事項の問題である。肢の言葉に惑わされず、正解して欲しい。
1は、更生保護が社会内で処遇を行うものであるからからすると一見よさそうな気もするが、「施設収容を伴う行われない」との断定に少し不安がよぎる。刑務所等の矯正施設でなければ、施設収容を伴うものであってもよいきもする。△にして次に進む。2の「仮釈放を許された者には、保護観察が付される」との記述は知識がないと何ともいえない。たしか、そうだった気がする。記憶が曖昧なら、△。保護観察が付される経緯は、幾つかあるが、「仮釈放」が実施される場合は、必ず、保護観察に付される。重要なポイントなので覚えておこう!3は、「ことはない」という文末は×であることが多いのと、「刑の一部の執行猶予を言い渡された者」でも保護観察の必要性はあると思われるので、×ぽい。4は、更生保護は、法務省の更生保護局の管轄だったはずなので、×。5は少年も対象とするので、×である。

【正解2】

問題148 保護観察官と保護司に関する次の記述のうち,正しいものを2 つ選びなさい。
1 保護観察官は,福祉事務所に配置されている。
2 保護司は,都道府県知事が委嘱する。
3 保護観察官には,法務省専門職員(人間科学)採用試験がある。
4 保護観察は保護観察官,犯罪予防活動は保護司が分担する。
5 保護司の活動拠点として,更生保護サポートセンターが設置されている。
 
これも頻出の基本事項である。過去に何度も類似の問題が出題されている。
1は、×である(保護観察官保護観察所に置かれる)※もう一ヶ所あるが、思い出せるだろうか。仮に、知識がなくても福祉事務所に配置されていないことは判断できて欲しい。2は、法務大臣である。少なくとも都道府県知事ではないことは分かって欲しい。×である。3は、よくわからないので△。4であるが、保護観察官と保護司の分担はこのような関係にはない頻出事項。×である。5もあまり記憶にないので、△。

【正解3,5】

問題149 更生保護の機関と就労支援及び福祉機関・団体との連携に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 生活困窮者自立支援制度は,更生保護対象者には適用されない。
2 地域生活定着支援センターは,法務省により設置されている。
3 公共職業安定所(ハローワーク)の職員は,保護観察所に所属して就労支援を行っている。
4 協力雇用主には,対象者の身分や前歴等を知らせずに協力してもらっている。
5 公共職業安定所(ハローワーク)には,刑務所出所者等を対象とした就労支援メニューがある。
 
更生保護機関と他機関の連携に関する問題である。今後、この手の連携に関する出題は増えるのではないだろうか。
1は、適用されない理由が不明である。×であろう。2は、厚生労働省により設置されているのではないだろうか。少なくとも法務省ではあるまい。×ぽい。3もありえない内容である。×である。4は協力雇用主だからこそ「対象者の身分や前歴等」を知らせた上で協力を求めるのが普通だろう。そんな大事なことを隠すのもおかしい。×であろう。5は、あってもよさそうな内容である。知らないけれども、消去法で考えれば、これが〇ではないだろうか。

【正解5】

問題150 社会復帰調整官に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 社会復帰調整官は,地方検察庁に配属されている。
2 社会復帰調整官は,医療刑務所入所中の者の生活環境の調整を行う。
3 社会復帰調整官が,「医療観察法」の審判で処遇を決定する。
4 社会復帰調整官は,精神保健観察のケア会議に支援対象者の参加を求めることができる。
5 社会復帰調整官が,指定通院医療機関の指定を行う。
(注) 「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
 
社会復帰調整官は頻出事項であり、知っていないといけない知識である。医療観察制度も同様である。
1は、正確に覚えていなかったとしても、訴追して刑罰を科すことを求める側には、ついていないだろうから×と判断できる。社会復帰調整官は、保護観察所に勤務している。2は、「医療刑務所入所中の者の生活環境の調整」を行うものではないから×である。3の「医療観察法」の審判で処遇を決定するような事項は、裁判所が行う。×である。4は、よさそうな内容である。これが〇かな。5の「指定通院医療機関の指定」は、少なくとも社会復帰調整官の行うことではないと思われるので×。

【正解4】