24.子どもの保健(H31年-前期)4/4

問 16
次の文は、感染予防のために用いる消毒薬に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

1 消毒用アルコールは多種類の病原体に効果があるため、よく用いられる。原液を2倍に薄めて使う。
2 消毒用アルコールは手指や、遊具、便器、トイレのドアノブなどに用いるが、ゴム製品や合成樹脂製品(おもちゃなど)は浸け置きして消毒する。
3 逆性石鹸は、ウイルスにも効果があるため、手指を含めて室内にある物品を消毒するのに用いる。
4 次亜塩素酸ナトリウムは、ノロウイルスを含めて多くのウイルス、細菌、一部の真菌に効果があるが、金属には使えない。
5 次亜塩素酸ナトリウムで消毒する時は、市販の漂白剤(塩素濃度約6%)を 30 倍に希釈して用いる。
 
この問題を解く基本は、消毒用アルコールと次亜塩素酸ナトリウムの特性を理解しているかどうかです。
逆性石鹸という聞きなれない言葉もありますが、3の選択肢を保留とし、1,2,4,5で適切な記述を探す方法でも解けます。試験問題の選択肢のすべてを知っているということは、少ない場合が多いと思います。従って、この様な解き方は重要な視点です。
ポイントは、次亜塩素酸ナトリウムは何にでも効くけれど、消毒用アルコールは効果に制限があること(例えば、ノロウイルスロタウイルス等)。そして、次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐蝕させることです。また、消毒用アルコールは直接手に付けたり、触ったりしても大丈夫ですが、次亜塩素酸ナトリウムは直接手に付けたりするのは適当ではないということです。
逆性石鹸とは、普通の石鹸のような洗浄力はないけど、殺菌効果に優れた石鹸です。興味がある人は、ネット等で検索してみてください。

【正解4】

問17
次の文は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~」(平成 28 年3月 内閣府)における「プール活動・水遊びの際に注意すべきポイント」に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 監視者は監視に専念する。
2 監視エリア全域をくまなく監視する。
3 動かない子どもや不自然な動きをしている子どもを見つける。
4 十分な監視体制の確保ができない場合は、プール活動の時間を短くして実施する。
5 時間的余裕をもってプール活動を行う。
 
このガイドラインを読んでいる人は少数派だと思います。さらに、暗記している人はほとんどいないと思います。従って、常識的な判断ができるかどうか、児童の見守りの基本が問われている問題です。
2,3,5については何の問題もない選択肢です。1と4で迷うと思います。1は、一般的に間違いの選択肢であることが多い、限定的及び断定的な表現です。時間軸的にも、仮に監視中に異常事態に気付いた場合、監視という行動とは違う行動をするとも考えられます。個人的には、少し納得のいかない問題ではありますが、1は正解の選択肢になっています。不適切な記述は4となっています。確かに、監視体制が十分でない場合は、時間を短縮するのではなく、中止にすべきですね。短い時間の中であれば事故が起きないというわけではありません。4が不適切なのは納得ですが、1が不適切ではないとは言えない問題と考えられます。

【正解4】

問18
次のうち、「学校保健安全法施行規則」第 19 条における出席停止の期間の基準として適切な記述を一つ選びなさい。

1 インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)では、発症した後3日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで。
2 百日咳では、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。
3 麻しんでは、解熱した後5日を経過するまで。
4 風しんでは、発しんが消失し、解熱するまで。
5 水痘では、すべての発しんが消失するまで。
 
この問題は、知識がないと解けないと思います。知識がない人は、どこかにマークして次の問題に進むというのも一つの手です。
学校保健安全法施行規則 第 19 条では、三種の感染症について出席停止期間を定めています。また、感染者、感染者の家族としての者、感染地域に住んでいる者、感染地域に旅行した者に分けています。 
この中の第二種感染症の感染者の出席停止期間です。以下、該当部分の条文を引用しています。赤字の部分が間違いの箇所です。

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学校保健安全法施行規則 第 19 条
二 第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかつた者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。
インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。
ロ 百日咳にあつては、特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。
麻しんにあつては、解熱した後三日を経過するまで。
ニ 流行性耳下腺炎にあつては、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹 が発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。
風しんにあつては、発しんが消失するまで。
水痘にあつては、すべての発しんが痂皮化するまで。
ト 咽頭結膜熱にあつては、主要症状が消退した後二日を経過するまで。
※痂皮(カヒ)とは、一般的には、かさぶたと言われる状態です。

【正解2】

問19
次の文は、保育所における発育及び発達状態の把握に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

1 保育中の子どもの心身の状態については、特に問題のない場合は1週間に一度、まとめて保護者に報告するとともに、留意事項などについては必要に応じて助言する。
2 保育中に発熱などの異常が認められた場合、また傷害が発生した場合には、まず嘱託医やかかりつけ医等の指示を受け、対応することを優先する。状態が落ち着いてから保護者に連絡する。
3 長期の観察によって、疾病や障害の疑いが生じた時には、保護者に伝えるとともに、嘱託医や専門機関と連携しつつ、対応について話し合い、それを支援していくことが必要である。
4 疾病や傷害発生時、虐待などの不適切な養育が疑われる時などは、担任保育士の判断で直ちに保健所または児童相談所に届け出る必要がある。
5 看護師等が配置されている場合、看護師は乳児への専門的対応を行う。
 
消去法で解くしかないと思います。
1が間違いなのは分かると思います。この選択肢は問題なく省けます。
2は状態によっては、この対応もありかなと思いますが、保護者にも速やかに連絡する必要があるということなのでしょう。
4 一般原則の限定的、断定的な表現ということで省きましょう。厳密には、どの部分が間違いなのかが分かり難くなっています。担任保育士の判断という部分が間違いであるかのように感じますが、児童虐待防止法から考えると、「直ちに」と「保健所」の部分が間違いです。
児童虐待防止法
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
5は医学的に専門的な対応は医師です。保育に関して専門的対応は看護師だけでなく、当然保育士も行いますね。

【正解3】

問20
次の文は、乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

1 SIDS とは、乳幼児にみられる原因不明の窒息による突然死である。
2 SIDS の日本での発症頻度はおおよそ出生 6,000 ~ 7,000 人に1人と推定され、多くは生後1歳以上で発症する。
3 SIDS は、主として睡眠中に発症する。
4 SIDS の診断は、解剖が実施されない場合は死亡状況調査に基づいて行う。
5 SIDS の乳幼児では、何らかの基礎疾患があるため、それによる死亡であるかどうかの区別が重要である。
 
乳幼児突然死症候群の問題です。
1 SIDSは窒息によるものだけではありません。原因不明という部分はあっています。
2 発生頻度はあっていますが、発症が多いのは生後2ヵ月から6ヵ月です。
4 死亡状況調査は解剖と一緒に行われる。死亡状況調査だけでは診断はできない。
5 SIDS の乳幼児に何らかの基礎疾患があるとは限らない。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
本問は、「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)厚生労働省SIDS研究班 2012年(平成24年)10月」ガイドラインを参考にした問題と思われます。関心がある人は読んでみよう。

【正解3】