24.保健医療サービスの知識等(R元年3月-第22回)4/4

問題41 訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。 
1真皮を越える褥瘡の患者は,医療保険による訪問看護を週4回以上受けることができる。
2介護保険による訪問看誰利用者の疾患別分類では,神経系の疾患が最も多い。
3訪問看護の内容には,リハビリテーションは含まれない。
4指定訪問看護ステーションには,看護職員を常勤換算で2.5人以上置かなければならない。
5利用者又は家族から電話等で看護に関する意見を求められた場合に常時連絡できる体制にあり,かつ,計画にない緊急時の訪問を必要に応じて行う体制にある場合には,緊急時訪問看護加算が算定できる。
 
この選択肢すべての知識がある人は少ないはず。下記のような解き方を覚えよう。
1は知らなければ△にして次に進む。2は「介護保険による訪問看護」であれば「神経系の疾患」が最も多いとはいえないだろうと推論できれば十分である。本肢は×だとわかればよい。3の訪問看護の内容にはリハビリテーションも含まれるので、本肢は×である。4と5は正確に覚えていないと自信をもって判断できないであろう。消去法で答えを導くのに適した問題である。
1,4はかなり細かめの知識である。5は何となく〇だろうという感じの記述だが、知識としてきちんと押さえていた人は少なかったであろう。2は過去10年以内には出題がないが、訪問看護には介護保険と医療保険の2つの給付があること、双方には違いがあることは多くの人が知っているはずである。本問は、そこから考えて2の正誤を判断させようとする問題だと考える。3は、一昔前によく出された問題である(平24-問5、平26-問36参照)。

【正解1,4,5】

問題42 次の記述について,より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 在宅における家族に対する看取りの支援は,医師,看護師,介護支援専門員などが行う。
2 在宅では,臨終に際して家族のみで対応することもあり得るため,家族に対する看取りの準備教育として,身体の変化,緊急時の連絡方法,死亡確認の方法などが必要になる。
3 家族に在宅で看取る意向があるならば,後方支援の病院において家族が看取ることも可能であるという説明は行うべきではない。
4 診療中の患者が,診察後24時間以内に当該診療に関連した傷病で死亡した場合には,改めて診察をすることなく死亡診断書を交付することができる。
5 死亡診断書に記載される死亡時刻は,生物学的な死亡時刻ではなく,医師が到着後に死亡を確認した時刻でなければならない。
 
難しい問題である。

1は特に問題ない記述であり〇と判断できる。2も〇と判断できる。3は家族の意向を重視するのは大切だが、後方支援の病院で看取ることも可能であることは説明しても構わないであろう。本肢は×である。4と5は知らないと判断に迷うであろう。4は〇である。24時間以内に診察をしていれば、亡くなった際に実際に診察をしなくても死亡診断書を書けるということを意味している。5は×である。死亡診断書に記載される死亡時刻は,医師が到着後に死亡を確認した時刻ではなく、生物学的な死亡時刻を書くのが原則となっている(厚生労働省大臣官房統計情報部・医政局(2018)『死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル平成30年版』p 6)。
【補足】1と2は常識的にも判断しやすい。3は平24‐問34で出題されている。4と5は平23-問45で出されている。これから病院以外の場所(特に在宅)での看取りが増えることから、知っておいて欲しい知識として出題されたものと考えられる。4について付言すると医師法20条は「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、(略)又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」と規定する。この但書は、24時間以内に医師が診察をしていないと死亡診断書を書けないという誤った解釈をなされることが多い。しかし、正しい解釈は、診療中の患者が死亡した場合、これまで当該患者の診療を行ってきた医師は、死亡に立ち会っておらず、生前の診察後24時間を経過した場合であっても、死亡後に改めて診察を行い、「生前に診療していた傷病に関連する死亡である」と判定できる場合には、「死亡診断書」を交付することができる、というものである(医師法第20条本文、平成24年8月31日付け医政医発0831第1号通知)。

【正解1,2,4】

問題43 居宅療養管理指導について正しいものはどれか。3つ選べ。
1事業者は,通常の事業の実施地域内の交通費を受け取ることができる。
2保険医療機関の指定を受けている病院は,居宅サービス事業者の指定があったものとみなされる。
3薬剤師が行う居宅療養管理指導に当たっては,医師又は歯科医師の指示がなくても,介護支援専門員に情報提供を行うことができる。
4薬局の薬剤師が行う居宅療養管理指導は,医師又は歯科医師の指示を受けて作成した薬学的管理指導計画に基づき実施する。
5管理栄養士や歯科衛生士は,行うことができない。
 
細かいと感じるかもしれないが、いずれも近時の試験で問われている。
1と2はいずれも〇であるが、自信がなければ△にして次に進む。3は、「医師又は歯科医師の指示がなくても」の部分が×である。4は〇である。この4の記述と3を対比すると、薬剤師の居宅療養管理指導が医師又は歯科医師の指示に基づかないといけないことを思いだせる(気づける)のではないだろうか。5の管理栄養士や歯科衛生士も居宅療養管理指導を行うことができるので、本肢は×である。以上から、3と5の×が判断しやすいので、消去法で正解を導くことができる。
1と2は令元-問44、3と4は平29-問43、5は平29-問45を参照して欲しい。

【正解1,2,4】

問題 44 介護保険施設について正しいものはどれか。2つ選べ。 
1施設サービスの提供により事故が発生した場合には,速やかに市町村,家族等に連絡するとともに,必要な措置を講じなければならない。
2介護医療院に空きがあれば,要支援の者であっても,施設サービスを受けることができる。
3介護医療院には,介護支援専門員を置かなくてよい。
4介護老人保健施設における緊急時施設療養費は,緊急その他やむを得ない事情により行われる医療行為について算定できる。
5介護老人保健施設では,医師が配置されているため,感染症又は食中毒の予防及びまん延防止のための委員会は開催しなくてよい。
 
介護保険の3施設の知識が問われているが、間違いの選択肢は明らかに間違いと分る。間違いの選択肢を探す問題である。
1は常識的に考えて〇と判断できる。2の介護医療院は、要支援者は利用できないので×。3の介護医療院には介護支援専門員をおかなくてはいけないので×。4は〇ぽいが、自信がなければ△にして次に進む。5は常識的に考えて×だと判断できるであろう。
近時の過去問で出されているのは4に関する平24-問38くらいである。他の肢は過去問にはない。しかし、1と5は常識的に正誤を判断できるし、2と3は介護医療院が介護保険施設であることから容易に×と判断できる。今年の問題では過去問と同じ肢が随所に使われていることが指摘されているが、その一方で過去問にはない肢も出されている。この試験は単に過去問に出ていた選択肢の知識の有無を問うものではないのだから、それは当然のことでもある。過去問学習を通じて何を学び、どう身につけるのか、それこそが大切なことである

【正解1,4】

問題45介護保険施設の施設サービス費における栄養マネジメント加算について正しいものはどれか。3つ選べ。 
1 常勤の管理栄養士を1名以上配置しなければならない。
2 栄養スクリーニングを踏まえ,入所者ごとの解決すべき課題を把握することを, 栄養アセスメントという。
3 栄養アセスメントを踏まえ,管理栄養士の管理のもと,栄養ケア計画を作成する。
4 低栄養状態のリスクが低い者については,おおむね6月ごとに栄養状態のモニタリングを行う。
5 管理栄養士は,関連職種と共同して食事摂取状況や食事に関するインシデント• アクシデントの事例等の把握を行う。
 
やや細かい知識を聞く問題である。
1はよさそうだが知らないと悩むであろう。2もよさそうな内容である。3も一読するとよさそうな内容である。4は細かい。栄養状態のリスクが低い場合、モニタリングの頻度を6か月ごととするのが妥当かどうか、知らないと判断に迷うであろう。5は一読するとよさそうな内容である。4は6ヶ月を長いとみて×とできるかもしれないが、残りから正しいものを3つ選ぶ段階で迷う。本問は答えが割れたと思われる。
1は平24-問38で出題されているが、それ以外は近年の試験では出題されていない。4は何となく×だとわかればいい。正しくは、高リスクの者については2週間ごと、中リスク者は1ヶ月ごと、低リスク者は3ヶ月ごとにモニタリングを行うものとされている。あと一つ×がわかればよいのだが、本問ではこれが見つかりにくい。出題者は3を×だと考えていたようである。厚生労働省基準を見ると多職種が共同して栄養ケア計画を作成することとなっており、「管理栄養士の管理のもと」が誤りだという理由だと思われる。しかし、特定の加算について基準まで押さえておくことは難しく、実際に受験した人がこの問題を間違えても仕方がなかったと考える。ただし、一度出題された以上は、次に同じ問題が出されても文句は言えない。

【正解1,2,5】