21.高齢者に対する支援と介護保険制度(H30年-第31回)2/2

問題131 介護支援専門員の役割に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。
1  利用者が介護保険施設への入所を希望する場合には,介護保険施設へ紹介を行うものとされている。
2  指定居宅介護支援の提供に関する記録を整備し,終結した日から5 年間保存することが厚生労働省令で定められている。
3  少なくとも一月に1 回,サービス担当者会議を開催しなければならない。
4  介護保険サービス以外のサービス等を含む居宅サービス計画を作成することができる。
5  訪問看護等の医療サービスが必要と自ら判断した場合には,利用者の同意を得ずに主治の医師の意見を求めることができる。
 
介護支援専門員の役割に関する問題である。介護支援専門員の試験かと思うくらい細かな問題だ。
1は、介護保険施設の紹介」ならまだしも「介護保険施設紹介」が×である。2は、「2年間」である。保険料も、介護報酬の請求も2年で時効にかかることとも関係している。なお、介護保険は3年を一期として動く。年数をごっちゃにしないようにしよう。3は、「一月に1回, サービス担当者会議を開催しなければならない」としたら、介護支援専門員(ケアマネジャー)も関係事業所もばててしまうだろう。×である。一月に1回,利用者を訪問しなければならない、事との混同を狙った肢である。4は、「介護保険サービス以外のサービス等を含む」でひっかかったかもしれないが、これが〇である。実際、「介護保険サービス以外のサービス等」も含まれている。医療保険の訪問リハビリ、家族や友人の援助などである。5は「利用者の同意を得ずに」が×である。

【正解4】

問題132 介護相談員に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
1 介護相談員派遣等事業の実施主体は,都道府県である。
2 介護相談員派遣等事業は,苦情に至る事態を防止すること及び利用者の日常的な不平・不満又は疑問に対応して改善の途を探ることを目指すものである。
3 介護相談員の登録は,保健・医療・福祉分野の実務経験者であって,その資格を得るための試験に合格した者について行われる。
4 介護相談員派遣等事業は,介護保険制度における地域支援事業として実施が義務づけられている。
5 介護相談員が必要と判断した場合,相談者の同意がなくても,その相談者に関する情報を市町村等に提供することができる。
 
介護相談員は忘れた頃に出題される。介護相談員は、サービス利用者とサービス提供事業者や市役所との橋渡し役であることを知っていればよい。
1は、都道府県ではなく市町村であり、×である。何となく判断できたのではないだろうか。2は、知っていればこれに〇である。知らなければ△にして先に進む。3のような試験があるとすれば、一度は参考書等で目にしているはずである。介護相談員になるのに試験は課されていない。×である。4は、知識がないと悩む。結論から言うと「地域支援事業として実施が義務づけられている」ものでなく、×である。(私が就職した2002年位には、結構盛んに派遣されていたが、今でも派遣されているのだろうか…)。5は「相談者の同意なしに、その相談者に関する情報を市町村に提供するのはいかがなものだろうか。×である。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
介護相談員は、サービス利用者とサービス提供事業者や市役所との橋渡し役であり、利用者の疑問や不満、不安の声を受けとめ、トラブルを未然に防げるよう、問題の改善や介護サービスの質の向上を図ることを目指している

利用者同士のトラブルの仲裁、家族問題に関することへの介入、遺言・財産処分に関する相談、サービス提供事業者の評価、物品の修理や車いすへの移乗、食事の介助など「介護」にあたる行為などは行えない
市民によるサービス内容の監視役のようなものだと思えばよい。

【正解2】

問題133 地域包括支援センターに関する介護保険法の規定についての次の記述のうち,正しいものを2 つ選びなさい。
1 市町村は,地域包括支援センターを設置しなければならない。
2 地域包括支援センターの設置者は,包括的支援事業に関して,都道府県が条例で定める基準を遵守しなければならない。
3 地域包括支援センターの設置者若しくはその職員又はこれらの職にあった者は,正当な理由なしに,その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4 都道府県は,定期的に,地域包括支援センターにおける事業の実施状況について,評価を行わなければならない。
5 地域包括支援センターの設置者は,自ら実施する事業の質の評価を行うことにより,その事業の質の向上に努めなければならない。
 
注意して読む必要がある。本問は、当初3と5を正解として予定していたが、最終的に「正答なし」とされ、全員に得点が与えられた。
■5の肢が介護保険法115条の46第4項「地域包括支援センターの設置者は、自らその実施する事業の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、その実施する事業の質の向上に努めなければならない。」との条文に合致しないことが理由である。
 
1は、市町村が自ら運営するだけでなく委託が可能なので、「設置しなければならない」は×だとして欲しかったのであろう。意地の悪い聞き方である。2は、市町村に設置されるのだから、「都道府県が条例で定める基準を遵守しなければならない」との部分はひっかかる。×ぽい。3は、〇であろう。4は、前述のように「都道府県は」がおかしい。×ぽい。5は、あまり聞いたことがないが内容には大きな問題はない。〇ぽい。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
本問のような不適切問題には、センターのHPで公開されていないものもあるが、市販の過去問題集には掲載されている。そうした問題の中には、再び出題される可能性が高いテーマや問題意識が含まれているものもあるので、実力UPのために目を通しておいたほうがよい。

【正解3,5】※但し、「正解なし」と修正された。


問題134 老人福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
1 社会福祉法人は,厚生労働大臣の認可を受けて,養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを設置することができる。
2 有料老人ホームの設置者は,あらかじめその施設を設置しようとする地域の市町村長に法定の事項を届け出なければならない。
3 民生委員は,老人福祉法の施行について,市町村長,福祉事務所長又は社会福祉主事の指示に従わなければならない。
4 都道府県は,老人福祉施設を設置することができる。
5 国は,教養講座,レクリエーションその他広く老人が自主的かつ積極的に参加できる事業の実施に努めなければならない。
 
かなり細かい出題である。選択肢を良く読んで、積極法で正解を導こう。
1は、よさそうだが「厚生労働大臣の認可」がひっかかるので△。2は「市町村長の届出」がひっかかるので△。3は民生委員が「市町村長,福祉事務所長又は社会福祉主事の指示に従わなければならない」のはどう考えても×であろう。4は、特に問題ない。第1種社会福祉事業の設置主体から推論しても〇であろう。5は、△。

【正解4】

問題135 事例を読んで,R市の地域包括支援センターのC社会福祉士の対応に関する次の記述のうち,現時点で最も適切なものを1 つ選びなさい。
〔事 例〕
Dさん(70 歳,男性)は,脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺があり,軽度の認知症がある。要介護2 の認定を受けており,週2 回デイサービスを利用している。この地区のE民生委員からC社会福祉士に電話があり,「隣家の人から,頻繁に同居の息子Fさん(43 歳)の大声がしてDさんのことが心配だという連絡があった。Fさんは無職で日中は家に居るが,自分は家に入れてもらえないので状況を確認してほしい」とのことであった。
 
1 家に他人を入れたくないようなので,警察官に同行してもらう。
2 隣家の人から様子を心配する電話があり訪問したことを告げて,現在の状況を調査する。
3 隣家の人に事情を話し,変化があったら報告するように頼む。
4 虐待に迅速に対応できるよう,Dさんの保護に必要な居室を確保する。
5 R市の虐待防止担当者に通報し,Dさんの担当の介護支援専門員,デイサービススタッフ,E民生委員などと対応を協議する。
 
問われているのは「R市の地域包括支援センターのC社会福祉士の対応」であり、「現時点で最も適切なもの」である。
1は、先走りし過ぎの感があり×。2は、悩むが理由を告げて「調査する」のはちょっと△。3は、よさそうだが、これだけでその先にいかないのはちょっとまずい気もする。4は、先走りの感があるので×。5は、まず虐待の可能性を行政に報告し、「Dさんの担当の介護支援専門員,デイサービススタッフ,E民生委員など」の関係職種、機関で対応を考えるというもので、現時点では最も適切なものといえるのではないだろうか。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
こうした問題を間違えたときは、正解となる肢がどのようなものなのか(試験委員はどのような対応を妥当だと考えているのか)を分析して欲しい。

【正解5】