21.子どもの保健(H31年-前期)1/4

問1 
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に関する記述の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ア 健康な心と体
保育所の( A )の中で、( B )をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、( C )をもって行動し、自ら健康で( D )な生活をつくり出すようになる。

(組み合わせ)
A/B/C/D
1 生活/充実感/好奇心/安全
2 活動/充実感/好奇心/安全
3 生活/達成感/見通し/幸福
4 活動/達成感/見通し/幸福
5 生活/充実感/見通し/安全
 
再度確認
「総則」1は「保育所保育に関する基本原則」、2は「養護に関する基本的事項」、3は「保育の計画及び評価」、4は「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」です。
4(2)ア「健康な心と体」
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。 
赤字部分が答えです。
見通しを持った行動と安全は密接に結びついていますね。
過去問学習は、( )の答えだけを見るのではなく、全体感を掴むようにしてください。

【正解5】

問2 
次の文は、子どもの発育・発達に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 発育・発達は連続した現象であり、原則としてある段階から次の段階に飛躍することはない。
B 器官別に見ると、神経系の発育は乳幼児期に最も急速であり、生殖器系の発育が最も遅い。
C 発育・発達は秩序正しく一定の順序で進む。例えば、運動機能では、はいはいの後すぐに一人歩きへと進む。
D 一般的に体重や身長は、乳幼児期および小学校低学年に急速に増加し、小学校高学年ではゆっくり増加する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○  ○  ○  ×
2 ○  ○  ×  ○
3 ○  ○  ×  ×
4 ×  ○  ×  ○
5 ×  ×  ○  ○
 
子どもの発育に対する知識と常識力の両方を駆使して解きましょう。
A 個人差はあるものの、発育・発達は連続した現象ですね。原則として発達段階という大きなかたまり(まとまり)を経てすすんでいきます。
B 記載の通りです。その他では、リンパ系の成長曲線が特異的です。成人を100%とした場合、リンパ系だけは児童期、少年期に100%を超えています。
C 一定の順序で進むというところは、それほど変ではありません。ただ、はいはいの後すぐに一人歩きへと進むというのは、明らかに変です。
D 個人差がありますが、小学校低学年と高学年で選択肢の文章ほどの違いはないと言えます。

【正解3】

問3 
次の文は、「発熱」に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 発熱は、生体の防御反応として、免疫機構が病原体と戦っているサインである。
2 体温には日内変動がある。発熱時も朝方に上昇し、夕方から夜間に下がることが多い。
3 発熱が続くと、食欲が低下して水分も摂らなくなることがある。
4 不感蒸泄も盛んになって体の水分が奪われ、脱水に陥りやすくなる。
5 哺乳・食事の直後、泣いた後、体をよく動かした後などは、病気でない時でも熱が高めになることもある。
 
発熱の原因と発熱による作用の問題です。
身体(体内も含め)が動いた後などは体温が上がりやすくなります。通常日中に身体を動かし、夜は動かさないことが多いので、体温は夕方上昇しやすく朝は低めの可能性が強いと言えます。

【正解2】

問4 
次の文は、健康診査に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 市町村の保健センターで行われる乳幼児健診の受診率は、「平成 28 年度地域保健・健康増進事業報告の概況」(平成 30 年3月7日 厚生労働省)によると約7割である。
2 保育所で行う健診の結果は、保護者に伝えるようにする。
3 保育所は、保護者に市町村の乳幼児健診を受けるように勧め、その結果の報告を働きかける。
4 保育所での健診の項目は、幼稚園でのそれとほぼ同様である。
5 保育所の健診では、保育士は保護者の質問を医師に伝え、適切な判断や助言を受ける。
 
健診の統計データ、内容、保育所の心掛けなどの問題です。
乳幼児健診の受診率は90%を超えています。その他の記述は正しいものです。
ちょっと嫌な話しですが、健診は虐待の早期発見にも繋がります。仮に、健診を異常に拒む保護者がいれば、虐待の有無の確認をする必要があると考えましょう。

【正解1】

問5 
次の文は、子どもの健康状態の把握に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 一人一人の健康状態を把握することによって、保育所全体の子どもの疾病の発生状況を把握することができ、早期に疾病予防策を立てることに役立つ。
B 子どもの健康状態の把握は、保育士が行うのではなく、専門職である嘱託医と嘱託歯科医が、定期的な健康診査等で把握するものである。
C 一人一人の子どもの生育歴に関する情報を把握するに当たっては、母子健康手帳等の活用が有効であるが、活用の際、その情報の取扱いに当たっては、保育士には秘密保持義務があるため、保護者の了解を得る必要はない。
D 日々の健康観察では、子どもの心身の状態をきめ細かに確認し、平常とは異なった状態を速やかに見付け出すことが重要である。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○  ○  ○  ○
2 ○  ○  ×  ○
3 ○  ×  ○  ○
4 ○  ×  ×  ○
5 ×  ×  ×  ×
 
この問題は、感覚的に分かるのではないでしょうか。
B 保育士は日々子どもたちと接しています。日々の健康観察が可能なのは保育士に他なりません。1週間や1ヶ月に一回の健康診査では、その間の病変を見逃すことになります。
C 秘密保持義務があるからといって、個人情報に関して保護者の了解を得なくても良いということにはなりません。これでは、保護者と良好な関係が築けませんね。
ADは正しいです。

【正解4】