21.保健医療サービスの知識等(R元年3月-第22回)3/4

問題36 高齡者の転倒について適切なものはどれか。3つ選べ。 
1要介護高齢者が短期間に複数回転倒した場合には,再度転倒する可能性が髙いため,総合的にアセスメントを行い,対策を検討する必要がある。
2転倒を繰り返す介護施設入所者については,向精神薬などの薬物を用いて動けないように行動を制限する。
3転倒により頭部を強く打った場合には,数時間様子をみて,意識障害などがなければ,それ以上の経過観察は要らない。
4高齢の女性は,骨粗鬆症が多いので,転倒により骨折を起こしやすい。
5夜間の排尿行動や不穏状態で転倒することが多い。
 
この問題は解ける人が多いはず。また、介護福祉職として現場にいる場合には、持っておくべき知識である。
1は普通に考えて〇という内容の記述である。2は薬を用いた拘束であり、このような方法は適切とはいえない。3は×である。硬膜下血腫の場合、相当な時間を経過してから症状が出てくる場合がある。最低でも1ヶ月は様子観察を行う必要がある。4は〇である。5も〇である。 
平25-問33にそっくりな問題が出されている。

【正解1,4,5】

問題 37 リハビリテーションについて適切なものはどれか。3つ選べ。
1 通所リハビリテーション計画は、主治の医師が作成しなければならない。
2 回復期リハビリテーションでは、機能回復、ADLの向上及び早期の社会復帰を目指す。
3 指定訪問リハビリテーションとは、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院から理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が居宅を訪問して行うリハビリテーションをいう。
4 変形性膝関節症の発症リスクは、減量をしたり、大腿四頭筋等の筋力を鍛えたりしても、低下しない。
5 左片麻痺でみられる半側空間失認に対しては、失認空間に注意を向けるリハビリテーションを行う。
 
適切なものを3つ探すよりも、不適切なものを2つ探そう。
1の通所リハビリテーション計画は主治医が作成しなくてもよいので、×である。2は特に問題のない記述であり、〇と判断できる。3も、同様に〇と判断しやすい。4は、記述のような対応を行えば変形性膝関節症の発症リスクは低下すると考えられる。本肢は×である。5は特に問題のない記述であり、〇と判断しやすい。
4の×は判断しやすい。1が×と判断できれば、消去法で答えを出せる。1は少し細かい知識を聞くものだが、平28-問44で出題されている。2は平29-問38、4と5は平27-問44で出されている。

【正解2,3,5】

問題38 排泄について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1腹圧性尿失禁には、骨盤底筋訓練よりも膀胱訓練が有効である。
2便失禁は、すべて医学的治療を要する。
3ポータブルトイレについては、理学療法士等の多職種と連携し、日常生活動作に適合したものを選択する。
4日常生活動作の低下による機能性失禁では、排泄に関する一連の日常生活動作の問題点を見極めることが重要である。
5排便コントロールには、排便間隔を把握し、食生活や身体活動等を含めた生活リズムを整えることが大切である。
 
正解すべき問題。多くの受験生が解けているはず。
1は自信がなければ△にして次に進む。2は、何となく×だと判断できるであろう。3、4,5は特に問題のない記述であり〇と判断できるであろう。
1は知らないと判断しづらい。2の×はわかりやすい。3、4、5については〇と判断しやすいので、1がわからなければ、積極法で解いた方がよい問題といえる。1であるが、腹圧性尿失禁では、膀胱訓練よりも骨盤底筋訓練の方が有効なので×である。本問は、平27-問33を少しだけ変えて出題し直したものである。

【正解3,4,5】

問題39 災害対応について適切なものはどれか。2つ選べ。
1福祉避難所の対象は,高齢者や障害者など避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする者であり,その家族は含まない。
2災害時においても,個人情報保護の観点から,要援護者の個人情報の提供及び共有は,行うことができない。
3災害時の課題である生活不活発病は,活動低下により身体機能が低下した状態をいい,要介護者のみに生じる。
4深部静脈血嘩症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)を予防するためには,定期的に体を動かし,十分に水分を摂るようにする。
5人工呼吸器等電源を必要とする医療機器使用者の停電時の対応については,平時より,主治の医師等と話し合い,対応を決めておく。
 
なんとなく解ける問題である。
1は知らないと判断しづらい。2は、災害時には例外が認められそうなので、×だろうと推論できる。3は「要介護者のみに」の部分が×である。災害時であれば、そうでない人にも生じうると判断できる。4は、特に問題のない記述であり〇ぽい。5も特に問題のない記述であり、〇だろうと判断できる。
1は知らないと判断しづらいが、対象には特別な配慮を要する者の家族も含まれるので×である。平28-問45でそっくりな問題が出されている。

【正解4,5】

問題40 次の記述について,より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 がんの発症頻度は,年齢とともに高くなる傾向にある。
2 臨死期には,死前喘鳴がみられることがあるが,首を横に向ける姿勢の工夫で軽減することもある。
3 臨死期には,顎だけで呼吸する下顎呼吸状態となる場合があるが,しばらくすると主常な呼吸に戻る。
4 呼吸困難や疼痛に対しては,投薬のほか,安楽な体位やマッサージなどで苦痛の緩和を図る。
5 高齢者のがんに対しては,侵襲性の高い手術療法は行うべきではない。
 
適切なものではなく、より適切なものを選ぶ問題である。
「より」適切という表現の場合は、迷う選択肢があると考えよう。
通常、断定的な表現などは、一見適切であるが、それよりも適切な肢があると考えられる。
この問題では、選択肢5が一見適切ではあるが、すべての手術を排除するような表現が使われており、手術を行うべきではないという断定的表現により、より適切なものから外れている。
1は〇ぽい内容である。2は特に問題のない記述であることと、文末の「~こともある」から、〇であろうと判断できる。3の下顎呼吸が始まるのは死期が迫っている状況なので、しばらくすると正常な呼吸に戻るわけではない。本肢は×である。4は特に問題のない記述であり、〇であろうと判断できる。5は〇ぽい内容である。設問は「より適切なもの」を3つ選ばないといけないので、〇ぽいものから更に3つに絞り込む必要がある。多くの人は、2,4を〇として、1を取るか5をとるかで迷ったのではないかと思われる。1と5はいずれも適切そうな内容であり、考えても自信を持って判断することは難しい。こういう問題では、時間をロスしないようにすることが大切である。公式発表で1は〇、5は×であることが判明した。
3と4については、平27-問34に関連した過去問がある。しかし、残りの肢は過去10年以内には出題されていない。

【正解1,2,4】