2.保育原理(R2年-後期)2/4

問7 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】

M保育所の1歳児クラスに通うK君(1歳8か月)は、ごはんやうどんなどの主食は好きでよく食べるが、野菜やお肉などのおかずはなかなか食べない。また、自分で食べるときもあるが、「ママ!(やって)」と食べさせてもらうことを求めることが多い。K君の保護者は、K君に主食だけではなくおかずもしっかりと食べられるようになってほしい、また自分で食べるようになってほしいと思っている。しかし、なかなかそうならないK君に保護者はあせりを感じている。そこで連絡帳にK君の家庭での食事の様子を記入し、担当保育士にアドバイスを求めてきた。保育所でもK君は食事の際、ごはんなどはスプーンを持って上手に食べるが、おかずになると手をひざの上において自分で食べようとしないことが続いている。保育士が声をかけると、自分でスプーンを持っておかずを食べる日もあり、担当保育士はK君を励ましながら食事を進めている。担当保育士から相談を受けた栄養士は、K君の食事の様子を最近よく見ている。
 
【設問】
担当保育士がK君の保護者の連絡帳に記入する内容として、「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」の2「食育の推進」及び第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所でのK君の食事に対する担当保育士の対応の様子を伝え、食べることを楽しむことが大切なので、あせらずにやっていきましょうと伝える。
B 食事は早くからの自立への援助が大切であるため、何でも自分でスプーンなどを持って食べるように保育所での指導を強めていきますと伝える。
C 子どもの食事は、保育所よりも保護者が指導することが大切なので、家庭でしっかりと指導してくださいと伝える。
D 保護者が希望するならば、栄養士も交えて一緒に相談しましょうと伝える。
 
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×
 
そのものずばりの選択肢はありません。逆に言えば、大まかな理念や考え方を理解していれば解けることになります。
A:食べることを楽しむという表現はあります。〇
B:強制的な態度は駄目です。それぞれの個性や成長段階に応じた対応が必要です。✕
C:家庭とは連携が大切です。✕
D:保護者とは一緒の相談。栄養士の専門性を活かすのも適切。〇

【正解3】

問8 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】

N保育所の4歳児クラスで、外遊びから戻ってきた子どもたちが、麦茶を飲もうと列に並び始めた。S児、Y児が順番に並んでいった。先頭のS児が後方に並んでいたM児に呼ばれ少しだけ列の横に動いた。S児がその場を離れると予想したのか、前に並びたいという気持ちが働いたのか、Y児が先頭に並ぼうと前に出た。S児が「やめて。僕が一番なんだから」と強く言うが、Y児は譲らず、2人がつかみ合いになった。担当保育士がやってきて、「どうしたの?」と言いながら間に入った。近くにいた子どもたちがじっとその様子を見ていた。担当保育士は、保育室の隅に2人を連れていきそれぞれに状況や理由を聴き始めた。先ほどから2人のいざこざの様子を見ていたM児がそばにやってきて、「あのね、私がSちゃんに・・・」といざこざになった理由を説明し始めた。
 
【設問】
担当保育士の子どもへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」、3「保育の計画及び評価」及び第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 最も重要なことは、2人のいざこざの理由を当事者のそれぞれが自分で説明することなので、自分のこと(列に並んで麦茶を飲むこと)に専念するようM児をその場から遠ざける。
B 当事者それぞれが状況や理由を言葉で主張しあうことも大切だが、クラスの子どもが友達のいざこざに関心をもち、解決のプロセスに参加するように援助する。
C いざこざは、当事者が一番わかっていることなので、他の子どもが野次馬的な感情で参加することはいけないことだと、このような機会をとらえて全体に指導する。
D 4歳児クラスとして規範意識の育ちを促す良い機会なので、周囲の子どもと一緒にどうしたらよいかを考える。
E M児は自分がS児に呼びかけた結果、トラブルになったことで責任を感じているのかもしれない。M児の気持ちも配慮しながら、いざこざに対する援助をする。
 
(組み合わせ)
 A B C D E
1 ○ ○ ○ × ×
2 ○ ○ × × ○
3 × ○ × ○ ○
4 × × ○ ○ ×
5 × × × × ○
 
一言で表すと自主性を尊重しましょうという問題です。子ども自らが周囲の人と関わりを持とうとすることは大切なことです。
A:子ども自らが周囲の人と関わることが推奨されていますので、それを遠ざけようとするのは駄目です。✕
B:これも子どもが自ら環境と関わり様々な経験をするという保育所保育指針の内容に沿っています。〇
C:子どもの気持ちを野次馬的と勝手に決め込んでいることが、まず駄目です。また、仮に野次馬であったとしても周囲のことに関心を持つことを否定してはいけませんね。✕
D:当事者だけでなく、他の子どもたちの参加を促すのは様々な経験をすることに役立ちます。〇
E:ケンカの当事者だけでなく、M君の気持ちにも配慮することは、何ら悪いことではありません。〇

【正解3】

問9 次の文のうち、フレーベル(Fröbel, F.W.)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 人智学という独自の立場と神秘主義的思想から、オイリュトミーやフォルメンという独特の活動を保育の実践に取り入れた。
B 幼児のための遊具を考案し、ドイツ語で神からの贈り物を意味する「ガーベ」と名付けた。これは、日本には「恩物」という名前で紹介された。
C 1837 年に「遊戯及び作業教育所」を開設し、この施設は 1840 年に保育者養成の施設と統合されて「キンダーガルテン」と改称され、世界初の幼稚園が誕生した。
D 1826 年の著作『大教授学』には、万有在神論の考え方が表されるとともに、幼児期における遊戯の重要性が主張されている。
 
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ ○ ×
 
フレーベルは保育士試験においては、最頻出人物です。頑張って参考書の基本事項を等を学習して下さい。

【正解全】不適切問題となっています。

問 10 次の文は、保育所における子育て支援の基本的事項に関する記述である。「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者自らが選択、決定していけるように支援する。
B 保護者の話から不適切と思われる行動が行われているとわかれば、はっきりと非難の意思を示し禁止するように指示する。
C 保護者とのコミュニケーションは、日常の送迎時における対話や連絡帳、電話、面接など様々な機会をとらえて行う。
D 保育士や看護師、栄養士等の専門性を有する職員が配置されていることを生かして、保護者が子どもの成長に気付けるようにする。
E 保護者の保育参観や保育体験への参加の機会は、他の子どもの家庭の状況がわかることから子育ての支援としては行わない。
 
(組み合わせ)
  A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × × ○
3 ○ × ○ ○ ×
4 × ○ × ○ ○
5 × × ○ × ×
 
一理あるな、と思っても行き過ぎた行動は不適切です。
A:教科書のような模範的行動です。〇
B:不適切な養育に対しては、「個別支援」「市町村・関係機関との連携」「虐待の場合は市町村・児相への通告」です。✕
C:時間の制約・他の子どもや保護者への対応の絡みなどもあるため、様々な機会を捉えたコミュニケーションは適切です。〇
D:専門性を生かす、保護者の気付きは両方とも適切です。
E:プライバシー保護は大切ですが、保育参観や保育体験を否定するまでには至りません。むしろ、プライバシーに配慮した保育参観・保育体験を行うべきでしょう。✕

【正解3】