18.保育の心理学(H31年-前期)2/4

問6 
次の文は、仲間関係の機能に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A 他者の外的行為を認めるだけでなく、その背後にある気持ちや感情、意図や動機、思考などの内的特性について気付き、正しく推論し、理解する。
B 他者のある行為を理解するために、その人の年齢、性別、職業などについての知識に基づいて推論する。
C 集団生活を円滑に行うためにある様々な決まりの本来の意味を、仲間との相互交渉の中で、不当な圧力や利害の片寄りなどの経験を通して考えるようになる。
D 自分の思考、感情、動機といった内的経験をそのまま行動に移すのではなく、客観的に捉え直し、自他を正当に比較し、他者の立場を推論しようとする。

【Ⅱ群】
ア 社会的カテゴリーの理解
イ 自己統制能力
ウ 他者理解・共感
エ 社会的規則の理解

(組み合わせ)
A B C D
1 ア イ ウ エ
2 ア エ ウ イ
3 イ ア エ ウ
4 ウ ア イ エ
5 ウ ア エ イ
 
国語の問題に近いと言えます。 
Aは、他者の理解です。また、正しく推論するためには、他者と同じような気持ちになった方が良いので、共感というニュアンスも間接的に含まれています。 
B年齢、性別、職業などは他者理解に役立ちます。また、これらに基づいて推論するということは、既にカテゴリー分けされた状態での推論になります。
C決まりの本来の意味を知るためには、決まりから逸脱した何かを経験しないと知ることができません。
D自分の感情をそのまま行動に移さない、ということは自己統制能力です。
AとDは分かりやすかったのではないでしょうか。
問題の解き方としては、このA-ウとD-イが分った時点で答えは導き出されています。
時間配分にもよりますが、この時点で次の問題にいっても良かったのではと思います。

【正解5】

問7 
次の文は、幼児のものの見方や考え方に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

メタ認知とは、目標達成のために現在の自己の状態を監視・調整する( A )や、それに伴う( B )なども含まれる。幼児期( C )から徐々に発達し、出来事を順序立てて話したり、園では当番活動ができたり、忘れ物をせずに帰り支度ができるなど、( D )に添った行動を可能にする。

【語群】
ア プラン     イ モニタリング  ウ シェマ  エ 感情体験
オ プライミング  カ 意識体験    キ 後半   ク 前半

(組み合わせ)
  A B C D
1 イ エ キ ア
2 イ エ ク ア
3 イ カ ク ウ
4 オ エ キ ア
5 オ カ キ ウ
 
自己の認知活動のモニタリングはメタ認知の根幹を成しています。

A状態の監視・調整するということですから、モニタリングが一番適しています。モニタリングとは、一般的に現状を観察して把握することです。他の候補はシェマだと思いますが、シェマとは対象を認識し、理解するための認知的枠組みを指す概念です。ピアジェはこのシェマを以下の3つの機能に構造化しました。同化、調節、均衡化です。同化とは、感覚や運動を通じて、外界の性質を自身の世界に取り入れることです。調節とは、概存の情報処理の枠組みを変容させて対象を認識・理解することです。均衡化とは、同化と調節のバランスをとってより適切な認識をすることです。
Bは意識体験か感情体験が候補です。常識的に感情体験であろうと思います。
Cは、前半か後半が候補です。幼児期前半とは、1~3歳ぐらいまでを指しますが、3歳の子どもというよりは5歳前後、つまり幼児期後半の子どもと思われます。
Dは、プランかプライミングが候補です。計画的な行動ができるようになるという文脈ですので、プランが適当です。ちなみに、プライミングとは先に与えられた情報により、後の情報の処理の仕方に無意識のうちに影響が出る現象を言います。

【正解1】

問8 
次の文は、アタッチメント(愛着)についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A アタッチメント(愛着)とは、自らが「安全であるという感覚」を確保しようとする個体の本性に基づいて、危機的状況あるいは潜在的な危機に備え、特定の対象への接近・接触を求め維持しようとする傾向と定義される。
B 愛着の個人差を測定するために、エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)が考案したのがサークル・オブ・セキュリティ(安全感の環)であった。
C エインズワースによれば、養育者への子どものアタッチメント(愛着)は3つの型に分類される。A型は抵抗(アンビバレント)型、B型は安定型、C型は回避型であった。

(組み合わせ)
  A B C
1 ○  ○  ○
2 ○  ○  ×
3 ○  ×  ×
4 ×  ○  ○
5 ×  ×  ○
 
人名と用語の理解です。
A 正しい記述です。
B サークル・オブ・セキュリティ(安全感の環)を考案したのは、ケント・ホフマン、グレン・クーパー、バート・パウエルです。エインズワースは、ストレンジ・シチュエーション法です。ストレンジ・シチュエーション法とは、乳児と母親のアタッチメントの発達やその類型を明らかにするための実験観察法です。
C Bのストレンジ・シチュエーション法により、子どもの反応は、3つに分類されます。「回避型(A型)」「安定型(B型)」「葛藤型(C型)」です。B型はそのまま当てはまりますが、選択肢のC型は、A型です。また、選択肢のA型はC型に該当しますが、抵抗ではなく、葛藤です。

【正解3】

問9 
次の文は、保育所での観察記録である。(a)~(d)の下線部分に関連する語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

園庭では、5歳児クラスの4~5名の子どもたちが、砂場で遊んでいる。子どもたちは、(a)砂山を作り、「どうやってトンネルを作る?」「ここ、押さえて。」など言い合いながら川を掘っている。一方、2歳児クラスの子どもたちは、園庭での遊びが終わり、順次、手足を洗って保育室に入るところである。他児よりもだいぶ早く外遊びをきりあげた2歳児クラスのR君は、保育室内のままごとコーナーを占領して、(b)かごに入っているお手玉をお玉ですくいあげては、鍋に移すことを繰り返していた。テラスからR君の姿に気づいた同じ2歳児クラスのS君は、手足を洗わずに、そのまま入室し、ままごとコーナーのR君の前に座って、(c)R君がしているように、かごに入ったお手玉をお玉ですくい鍋に移し始めた。保育士が「S君、遊ぶ前に手と足を洗ってきてね。」と促しS君の腕をとると、S君は立ち上がり、手と足を洗いにテラスに出ていった。しばらくままごとコーナーでR君は過ごしていたが、今度はお手玉をいくつか抱えて保育室を歩きながら、友達が遊んでいるところに近づいては、(d)「ピザです。ピザです。」と言いながら、お手玉を配り歩いていた。

【語群】
ア 連合遊び  イ 身振り遊び  ウ 象徴遊び  エ 並行遊び
オ 一人遊び  カ 協同遊び   キ 構成遊び  ク 共鳴遊び

(組み合わせ)
  a b c d
1 ア オ エ イ
2 ア オ ク ウ
3 ア キ ク イ
4 カ オ エ ウ
5 カ キ ク イ
 
人数により分類すると、一人と複数。
一人は、オの一人遊び
複数は、アの連合遊び、エの並行遊び、カの協同遊び、ク共鳴遊びとなります。
イ、ウ、キについては、遊び方の種類と言えます。一人でも複数でもできます。
ただ、クについては遊び方の種類という言い方もできます。
aは複数で遊んでいるのは間違いありませんね。
bは一人
cは一人(S君)とも複数(S君とR君)とも言えます。
dは一人と言えます。
一人が何回も出てきますので、一人か複数かの判断だけでは解けないことになります。
従って、遊び方の種類も併せて考えることになります。
試験センターの答えでは、
a協同遊び
b一人遊び
c並行遊び
d象徴遊び
となっています。
おそらく、一番分かりやすいのはdではないでしょうか。お手玉をビザと見立てていることが強調されていますので、人数に関係のある問題ではなく、遊びの種類に関する問題です。また、お手玉がピザを表している(象徴している)のは明白です。
bは複数で遊んでいるわけではないので、ア、エ、カ、クは除かれます。次に、遊びの種類を見てみると、身振り遊び、象徴遊び、構成遊びのどれにも当てはまりそうにありません。従って、一人遊びということになります。
cは、同じ遊びを別々に行っていますので、並行遊びとなります。
aは、連合か協同のどちらになるかという選択肢です。
皆で一緒に役割を分担しながらトンネルを掘っているaは、協同遊びですね。

ソーシャルワンカーと一緒にワン🐾ステップアップ
連合遊びとは、他の子どもと一緒に遊びますが、役割分担などせずに、基本的に自分の好きなことをする遊びです。
協同遊びとは、役割や分担があって、同じ遊びをすることです。

【正解4】

問10
次の文は、乳児期の視覚の発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 新生児の視力では、周囲はぼんやりとしている。また焦点距離は 20cm 程度で、抱っこされたときには相手の顔がよく見える。
B 最初のうちは、あおむけの姿勢の目の前で、がらがらを左右や上下方向に動かすと線として追視し、支え座りができる5か月頃には、円を描いて動くがらがらをなめらかに追視する。
C 生後1か月頃には、単色の単純な刺激と、同心円模様、新聞の一部、顔の絵といった複雑な刺激を対にして見せられると、より複雑な刺激、特に顔図形を好んで注視する。
D 生後4か月頃には、青、緑、黄、赤をそれぞれ異なる色として識別するようになる。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○  ○  ×  ○
2 ○  ×  ○  ×
3 ×  ○  ×  ○
4 ×  ○  ×  ×
5 ×  ×  ○  ×
 
視覚の発達の問題です。
A 新生児の目の焦点距離は顔から16~24cmと考えられています。20cm程度というのは正しい選択肢です。
B 正しい選択肢です。
C 複雑な刺激を好むのではなく、はっきりとした模様を好むと言われています。間違い。
D 3~4か月ぐらいで異なる色として識別すると言われています。正しい選択肢です。

【正解1】