15.認知症の理解(R2年-第33回)1/2
問題 77 うつ病(depression)による仮性認知症(pseudodementia)と比べて認知症(dementia)に特徴的な事柄として,適切なものを 1つ選びなさい。
1 判断障害がみられることが多い。
2 不眠を訴えることが多い。
3 誇張して訴えることが多い。
4 希死念慮がみられることが多い。
5 抗うつ薬が効果的であることが多い。
現場にいる介護福祉職なら経験的に解けると思います。
2~5は、うつ病による仮性認知症と認知症との比較です。不眠・誇張・希死念慮・抗うつ薬が効果的なのはうつ病に多いと考えられます。
【正解1】
問題 78 日本における認知症(dementia)の原因のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の次に多い疾患として,正しいものを 1つ選びなさい。
1 血管性認知症(vascular dementia)
2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
3 混合型認知症(mixed type dementia)
4 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
5 アルコール性認知症(alcoholic dementia)
正確な統計を出すのは難しい面があります。大まかな傾向を覚えておきましょう。また、原因疾患が二つ以上ある場合もあります。
アルツハイマー型認知症の次に多いのは、血管性認知症です。
アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症及び前頭側頭型認知症については、大まかな症状と原因などをチェックしておきましょう。
【正解1】
問題 79 日本での認知症(dementia)に関する次の記述のうち,適切なものを 1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)以外の認知症(dementia)の患者数が増加している。
2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の有病率は,男性より女性が高い。
3 年齢が若いほど,認知症発症のリスクが高い。
4 生活習慣病(life-style related disease)と認知症発症には関連がない。
5 運動は認知症予防に無効である。
アルツハイマー型認知症の最大のリスク要因は加齢にあるともいわれています。この知識があれば解ける問題です。
1:平均寿命が延びていますので、アルツハイマー型認知症の患者の増加率が高いと考えられます。ただ、これは他の原因疾患が増加していないという証明にはなりませんので、微妙な選択肢という気がします。
2:アルツハイマー型認知症の最大のリスク要因が加齢であるとした場合、年齢層が高い女性に多いということは簡単に推測できます。
3~5は不適切です。解説の必要はないと思います。
【正解2】
問題 80 認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち,適切なものを 1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人は病院への入院や施設への入所をするべきであるという考えに基づいている。
2 既に認知症(dementia)の診断を受けている人への支援は含まれない。
3 家族への支援は含まれない。
4 支援期間は 2 ~ 3 年である。
5 チーム員会議を開催してケア方針を決定する。
迷うとしたら、4か5だと思います。
1:病院への入院や施設入所は前提としていません。在宅が基本です。
2:認知症の診断を受けている人も含まれます。
3:家族支援も含まれます。
4:支援期間は、最長6か月です。
5:適切。
【正解5】
問題 81 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)に関する次の記述のうち,適切なものを 1つ選びなさい。
1 有病率は 1 万人に 1 人である。
2 プリオン病である。
3 認知症(dementia)の症状は緩やかに進行する場合が多い。
4 致死率は低い。
5 不随意運動は伴わない。
クロイツフェルト・ヤコブ病は難病指定されています。
1:100万人に1人と言われています。
2:適切。
3:急激に進行する。
4:致死率は高い。
5:不随意運動を伴う。