11.福祉サービスの知識(R2年10月-第23回)2/3

問題 51 介護保険における福祉用具貸与の対象となるものとして正しいものはどれ か。2つ選べ。
1 エアマットレスなどの床ずれ防止用具
2 移動用リフトのつり具の部分
3 入浴用介助ベルト
4 浴槽内いす
5 特殊寝台からの起き上がりや移乗の際に用いる介助用ベルト
 
福祉用具貸与に関しては、福祉用具の購入との差異、住宅改修との差異が過去問で何度か問われているので、区別の基準を確認しておくこと。
難易度B これまで、福祉勉強会では、福祉用具貸与の対象となるかどうかの問題について「使い回しができるかどうか」という観点から考えればよいと説明していた。しかし、それは生理的なものだけでなく当該福祉用具が安全に使えるかどかという観点も含めて考えた方がよい。
 
1は〇だが、生理的な観点だけだと迷うかもしれない。
2は×である。つり具の部分は安全性の部分から問題があると感じて欲しい。
3はどうか。入浴の際に用いる介助ベルトは生理的な面で問題があるだろう。3は×である。
4の浴槽内いすは生理的な面で使い廻しに適しないので×である。
5は〇である。介助用ベルトは3の入浴用介助ベルトと異なり水にも濡れないし、使い回しても問題がないということであろう。
福祉用具貸与の対象となるかどうかの問題は、比較的新しいところではH30-問51で出題されている。ぜひ参照して欲しい。
1の床ずれ防止用具はH21-問50で、2の移動用リフトのつり具の部分はH26-問54で、4の浴槽内いすはH21-問50で出題されているが、3と5はH21年度以降の問題では出題されていない(おそらく初めてだと思われる)。
3と5以外の肢が判断できた人は、そこから比較して選ぶことができたであろうが、そうでなかった人は判断に迷ったのではないだろうか。

【正解1,5】


問題 52 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 指定訪問介護事業所の管理者については、特段の資格は不要である。
2 サービス提供責任者は、介護福祉士でなければならない。
3 介護支援専門員は、一定回数以上の生活援助中心型の訪問介護を居宅サービス計画に位置付ける場合には、その居宅サービス針画を市町村に届け出なければならない。
4 利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする。
5 指定訪問介護事業者は、利用申込者の要介護度が重いことを理由として、サービスの提供を拒むことができる。
 
本問では肢2と肢4をどう解答するかで明暗が分かれたと思われる。
難易度C 難問ではあるが、消去法で正解を導くことができる。
 
1は〇である。訪問介護事業所の管理者には特段の資格はいらない。実際にそのようなケースも多いのではないだろうか。
2は知らないと迷うであろう。知らなければ△にして次に進む。結論を言えば、サービス提供責任者介護福祉士実務者研修修了者等であればよいので、2は×である。関連する問題がH30-問52で出題されている。
3も迷うかもしれない。結論からいうと〇であるが、知らなければ△にして次に進む。
4はどうか。利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合、訪問介護員は誰かに連絡するのが通常であろうが、4のように「居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする」といった規定については知らない人が多かったのではないだろうか。4は〇であるが、本肢の正誤を試験場で冷静に判断するのは難しかったと思われる。
5は×である。要介護度が重いことを理由として、サービスの提供を拒むことができるならば、介護保険は成り立たないだろう。

【正解1,3,4】

ソーシャルワンカーと一緒にワン🐾ステップUP‼
厚生労働省は、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて、以下の様な通知を出している。
(平成30年9月28日)(/老推発0928第1号/老高発0928第1号/老振発0928第1号/老老発0928第1号/)
 
訪問介護または通所介護と保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱い
契約の締結前後に、利用者の担当の介護支援専門員に対し、サービスの内容や提供時間等を報告すること
その際、当該介護支援専門員は、必要に応じて事業者から提供されたサービスの内容や提供時間等の保険外サービスに関する情報を居宅サービス計画(週間サービス計画表)に記載すること
(第2条3項・第3条3項)

 
問題 53 介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 通所介護費は、事業所の規模によって2つに分けて設定されている。
2 通所介護費は、サービスの所要時間によって3つに分けて設定されている。
3 サービスの所要時間が同じ区分の利用者については、サービス提供開始時刻を同じにしなければならない。
4 送迎時に実施した居宅内での介助は、1日30分以内を限度に、通所介護を行うのに要する時間に含めることができる。
5 通常の事業の実施地域以外に住む利用者の送迎にかかる費用は、利用料以外の料金として支払いを受けることができる。
 
迷ってペースを崩すくらいなら、適当にマークして次に移ったほうがよい。
難易度C
 
1は知らないと悩むであろう。自信がなければ△にして次に進む。
2も同様に自信がなければ△にして次に進む。
3は何となく×ぽいと感じられる。送迎に要する時間もあるし、微妙にずれても所要時間の枠内であればよいと感じられるからである(※実際に通所介護で働いている人はそのように感じるのではないだろうか)。
4も判断に迷う肢である。通所介護では送迎加算がつかず、反対に送迎を行わないと減算の対象になる(※かつては違った)。
このことを知っていれば、「送迎時に実施した介助は通所介護を行うのに要する時間に含めることができる」のではないかと推測できたかもしれない。
もし、送迎が通所介護のサービスとまったく別のものであれば、送迎を行わなくても減らされることはないともいえるからである。結論から言うと4は〇であるが、知らないと迷っても仕方がない気もする。
なお、通所介護で送迎加算がなくなった経緯についてはぜひ調べてみて欲しい(※短期入所生活介護では送迎加算が認められることにも注意)。
5は〇である。この肢はH29-問56でも問われている。ただ、4に関連して、送迎加算がなくなったこととの関係で判断を誤った人もいたのではないだろうか。
以上から、正しいものは4,5の2つだが、5も含めて判断しづらい肢が多い問題だと感じる。

【正解4,5】


問題 54 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者宅に浴室があっても、訪問入浴介護を提供することができる。
2 利用者が訪問入浴介護事業所と同一の建物に居住する場合でも、訪問入浴介護を提供することができる。
3 利用者が短期入所生活介護を利用している間は、訪問入浴介護費は算定しない。
4 訪問入浴介護は、事業所数が少ないため、通常の事業の実施地域を定めなくてもよい。
5 サービスの提供の責任者は、専らその職務に従事する常勤のものとする。
 
本問は積極法で解くほうがよいと思われる。
難易度B
 
1は〇である。利用者宅に浴室があれば訪問介護で対応すればよいのではないかと思わせるためのひっかけである。いくら浴室があっても、利用者の状況によっては備え付けの浴室では対応できない場合がある。
むしろ重度の要介護者であれば普通は無理であろう。
2はどうか。例えば、マンションの1Fに訪問入浴介護事業所があり、2Fから上に居住者がいるような場合である。
このような場合であっても、浴槽を持ち込んで、部屋の中でサービスを提供しないといけない場合は十分に考えられる。そのような場合、訪問入浴介護費を算定してはいけない理由は見出し難い。
もちろん移動距離が少ないことから報酬を少し減らすという考慮はあってもよいが、それは算定しないということとは別である。こう考えると本肢は〇ではないかと判断するのが素直ではないだろうか。
やや古いがH24-問51で問われている。
3は〇である。短期入所生活介護に入浴は含まれているという発想によるものである。類似した肢がH30-問54で出されている。
4は×ぽい。通常の事業の実施地域を定めていなければ、遠く離れたところから要望があればあった場合に事業者は対応に困るであろう。
5はどうか。知らないと迷うが、1,2,3が〇と根拠づけやすいのに対し、5を積極的に〇とする根拠は薄弱な気がする。
5について直接に問われている過去問は見当たらなかった。

【正解1,2,3】

問題 55 介護保険における小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 小規模多機能型居宅介護は、宿泊を中心として、利用者の様態や希望に応じて、随時訪問や通いを組み合わせてサービスを提供するものである。
2 従業者は、介護福祉士又は訪問介護員でなければならない。
3 小規模多機能型居宅介護の本体事業所とサテライト事業所の距離は、自動車等でおおむね20分以内の近距離でなければならない。
4 利用者は、複数の小規模多機能型居宅介護事業所への登録を希望しても、1つの事業所にしか登録できない。
5 運営推進会議は、当該事業所を指定する市町村が設置する。
 
小規模多機能型居宅介護は、通い、訪問、宿泊が組み合わせたサービスであり、1日何単位という包括報酬の形をとっている。通いは◇単位、訪問は◇単位、宿泊は◇単位という分け方ができないのだから、1つの事業所にしか登録できないのではないかと考えられる。
難易度B 肢4は推論で〇とすることもできる。
 
1は×である。「通い」を中心として、随時「訪問」や「宿泊」を組み合わせて、が正しい。
小規模多機能型居宅介護はあくまで在宅での生活を支えるものであることを念頭に考える必要がある。
なお、本問は「宿泊を中心として」という聞き方になっている点は出題者の優しさを感じる。
2は従業者に一定の資格が必要だという内容の肢である。望ましいことではあるが、介護者については無資格者でも従事できることになっている(これは他のサービスでも同様な傾向にある)。
よって、2は×である。
3は本体とサテライトが一定の範囲内にあることを要件としている。「自動車等でおおむね20分以内」かどうかまでは覚えていないにしても、考え方としては〇ぽいといえる。
4は〇である。知らないと悩むかもしれないが、標準的な参考書には必ず掲載されている内容であろう。少し古いがH23-問54で出題されている。
5は×である。運営推進会議という名称は少し仰々しいが、市町村が設置するものではなく、地域密着型サービス事業所が、利用者、区市町村職員、地域住民の代表者等に対し、提供しているサービスの内容等を明らかにすることにより、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質を確保することを目的として設置するものである。H29-問45で出されている。

【正解3,4】