10.障害者に対する支援と障害者自立支援制度(H30年-第31回)

問題56 
「平成28 年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」における障害者の実態に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 障害者手帳の種類別でみると,精神障害者保健福祉手帳所持者数が最も多い。
2 身体障害者手帳所持者のうち,65 歳以上の者は3 分の2 を超えている。
3 療育手帳所持者数は,前回の調査時(平成23 年)よりも減少している。
4 精神障害者保健福祉手帳所持者のうち,最も多い年齢階級は「20 歳~29 歳」である。
5 身体障害者手帳所持者のうち,障害の種類で最も多いのは内部障害である。
 
実態調査や最近の動向はトレンドを小まめにチェック。知らなければ推論する。
1は、身体障害者手帳の方が多いと感じられるので×。2は、日本の高齢化率がまだ30%までいっていなのに、身体障害者手帳の所持者だけ65歳以上が3分の2を超えているのだろうかという疑問が湧く。ただし、可能性がなくはないので△。3は療育手帳の所持者が前回の平成23年の調査よりも減っていると書かれている。もしかした少子化のせいでとも感じられるが、発達障害の場合にも療育手帳を取得できることを考えると悩むところである。△にしておく。4は、精神障害者保健福祉手帳所持者のうち,最も多い年齢階級が「20 歳~29 歳」となっているが、どうか。まず、若いうちに精神障害者保健福祉手帳を取得する人がそこまで多いのかという疑問が湧く(一般的に取得には心理的抵抗を持つ人が多いであろう)。もう少し上の年齢階級ではないかと感じられる。×ぽい。5は、内部障害よりも肢体不自由のほうが多いと感じられる。×ぽい。知識として持っていなければ、2と3を比較して、確率法を併用するか、自分の直感を信じて答えを選ぶかのいずれかであろう。
最近の動向は資料室でチェックしよう

【正解2】


問題57 
障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 国連で定めた国際障害者年(1981 年(昭和56 年))のテーマは,「万人のための社会に向けて」であった。
2 「障害者虐待防止法」(2011 年(平成23 年))における障害者虐待には,障害者福祉施設従事者によるものは除外された。
3 「障害者雇用促進法」の改正(2013 年(平成25 年))では,雇用分野における障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止について,努力義務が課された。
4 「障害者差別解消法」(2013 年(平成25 年))では,障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止について,民間事業者に努力義務が課された。
5 障害者の権利に関する条約(2014 年(平成26 年)批准)では,「合理的配慮」という考え方が重要視された。
(注)1  「障害者虐待防止法」とは,「障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
2  「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
3  「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
 
発展というよりは最近の重要事項といった感じですね。過去問にも類似の出題実績があった気が・・・
1はどこかでみたな。たしか「完全参加と平等」だったのでは。×ぽい。2の障害者虐待には,障害者福祉施設従事者によるものも含まれるので×。3は努力義務にとどめる理由が疑問。×ぽい。4も同様に努力義務にとどめる理由が疑問。×ぽい。5はよさそうな内容である。障害者差別解消法は2016年から施行されたが、合理的配慮もそこに盛り込まれていたはず。
今回の学習で覚えてしまおう

【正解5】


問題58 
「障害者総合支援法」の障害福祉サービスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活介護とは,医療を必要とし,常時介護を要する障害者に,機能訓練,看護,医学的管理の下における介護等を行うサービスである。
2 行動援護とは,外出時の移動中の介護を除き,重度障害者の居宅において,入浴,排せつ,食事等の介護等を行うサービスである。
3 自立生活援助とは,一人暮らし等の障害者が居宅で自立した生活を送れるよう,定期的な巡回訪問や随時通報による相談に応じ,助言等を行うサービスである。
4 就労移行支援とは,通常の事業所の雇用が困難な障害者に,就労の機会を提供し,必要な訓練などを行うサービスである。
5 就労継続支援とは,就労を希望し,通常の事業所の雇用が可能な障害者に,就労のために必要な訓練などを行うサービスである。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
 
障害のサービスについての問題である。介護保険のサービスとの違いを意識しよう。
1は「医療を必要とし」がひっかかる。×ぽい。2の行動援護は、「居宅において…」行われるサービスではない。×である。3は、△。4と5は交差法でいずれも×(就労移行支援と就労継続支援(A型とB型)の違いは知っておくべきである)。消去法で3にマーク
※出だしの2問が嫌な感じの問題だったので、この問題は正解したいところ。 

【正解3】

問題59 
事例を読んで,各関係機関の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
特別支援学校高等部を卒業見込みのHさん(Q県R市在住,軽度知的障害,18 歳,男性,両親は健在)は,卒業後,実家を離れ県内のS市にある共同生活援助(グループホーム)への入居と一般就労を目指し,各関係機関に相談している。
 
1 特別支援学校の特別支援教育コーディネーターが,サービス等利用計画案を作成する。
2 Q県が共同生活援助(グループホーム)の支給決定を行う。
3 S市が成年後見の申立てを行う。
4 相談支援事業所の相談支援専門員が,共同生活援助(グループホーム)への体験入居を提案する。
5 Hさんの卒業後,R市がHさんの就労先に職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣する。
 
問題文の事例と基本的知識を駆使して考えてみる。
1は「特別支援教育コーディネーターが,サービス等利用計画案を作成する」のはおかしい気がする。×ぽい。2であるが共同生活援助(グループホーム)の支給決定を行うのは市町村である。×である。3であるがHはまだ18歳(未成年)であり、「両親も健在」である。S市が成年後見の申立てをこの段階で行うのはどう考えてもおかしい。×である。4は、あってもよさそうな内容である。〇かな。5は、Hの卒業後に、「R市がHさんの就労先に職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣する」との内容はおかしな感じがする。×ぽい。 

【正解4】

問題60 
次のうち,「障害者総合支援法」に基づく協議会の運営の中心的な役割を担うこととされている機関として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 基幹相談支援センター
2 障害者就業・生活支援センター
3 地域生活定着支援センター
4 市町村障害者虐待防止センター
5 地域包括支援センター
 
聞かれているのは、「「障害者総合支援法」に基づく協議会の運営の中心的な役割を担うこととされている機関」である。
迷うとしたら、1か3であろう。5の地域包括支援センターは介護保険法に規定されているものなので、多くの人が×とするであろう。1と3を比べた場合、1の方がより適切だと感じられる。

【正解1】

問題61 
事例を読んで,Jさんに対する現段階での相談支援事業所の活動に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
自宅で一人暮らしのJさん(肢体不自由,男性,車椅子使用)は,これまで1 日2時間の居宅介護と週に数回の移動支援を利用してきた。Jさんは3 か月後に65 歳となるが,介護保険への移行について不安な気持ちを持っている。最近,腕の筋力低下と首の痛みがでてきたことで,一人暮らしを続けることができるか心配になり,相談支援事業所に相談した。
 
1 地域移行支援を活用して,地域生活を安定させる。
2 県の介護保険担当部署の連絡先を紹介する。
3 腕の筋力の増強訓練のため,自立訓練(生活訓練)の申請を行う。
4 住宅環境を整備するため,介護保険の住宅改修を含めたサービス等利用計画案を作成する。
5 介護保険制度の説明を行い,介護保険への移行などについて理解を得られるよう働き掛ける。
 
問われているのは「現段階での」相談支援事業所の活動としてもっとも適切なものである。
ここに注目⇒Jさんはこれまで障害者のためのサービスを利用していたが、3ヶ月後に65歳となるため、介護保険への移行について不安な気持ちを持っている。
 
1はそもそも「地域移行」ではないので×。2は、つきはなした感じで×。3は知らなければ△である。自立訓練(生活訓練)が本肢のようなものであれば、内容的にはよさそうである。4はまだ65歳になっておらず、現段階では最も適切とはいえない。5は、現段階ではもっともそつがない対応である。〇ぽい。
※3の自立訓練(生活訓練)の対象は、「知的障害者や精神障害者」である。Jさんは肢体不自由であり、知的障害や精神障害を疑わせる事情は書かれていない。また、腕の筋力の増強訓練が自立訓練(生活訓練)に含まれる支援といえるかも微妙である。3は前提となる知識がないときちんと判断できない。

【正解5】

問題62 
身体障害者福祉法,知的障害者福祉法及び「精神保健福祉法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 身体障害者福祉法では,身体障害者更生相談所の業務として,必要に応じて「障害者総合支援法」に規定する補装具の処方を行うことが規定されている。
2 身体障害者福祉法において,身体障害者手帳の有効期限は2 年間と規定されている。
3 知的障害者福祉法において,療育手帳の交付が規定されている。
4 知的障害者福祉法において,知的障害者更生相談所には,社会福祉主事を置かなければならないと規定されている。
5 「精神保健福祉法」において,発達障害者支援センターの運営について規定されている。
(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
 
わかるものから消去していく。消去法で正解を導く。 
1は△(身体障害者更生相談所の業務としてこのような問われかたは記憶にない)。2の有効期限2年は精神障害者手帳の話であり、×である。3の療育手帳は法律に規定がないので×である(割とメジャーな知識)。4の知的障害者更生相談所に必置なのは、知的障害者福祉司である(「司」は昔の官職を表す-それが現在にも残っている)。5の「発達障害者支援センターの運営」であるが、わざわざ発達障害者支援法が作られたのであるから、おそらくそちらに規定されていると考えるのが素直である。×ぽい。
身体障碍者福祉法は他の科目と連動している 

【正解1】