1.介護支援分野(H30年-第21回)1/5

問題 1
介護保険法第1条(目的)に規定されている文言として正しいものはどれか。2つ選べ。

1 高齢者の権利利益の擁護に資する
2 高齢者の心身の健康の保持及び生活の安定を図る
3 国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る
4 有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる
5 高齢者の居住の安定を図る
 
★ できなくても気にしなくてよい問題である。
ただし、解決の糸口はある。介護保険は、高齢者の介護を国民全体で支えるための仕組みを作る法律である。
1はその目的と微妙にずれるので×。5は明らかに目的からずれるので×ぽい。残る2と3と4から、どの2つを選ぶかで迷う。ポイントは、2と4の比較である。介護保険法では、高齢者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように、必要なサービスの給付を行う。とされている。
従って、2は✕となり、4は〇となる。3は「国民の」がひっかかるかもしれないが、全体としては正しそうな内容。

【正解3,4】

問題 2
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の7つの柱として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 若年性認知症施策の強化
2 認知症の人の介護者への支援
3 認知症の発症割合の低減
4 高度認知症の人への集中的支援
5 認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
 
★★ 知らないと迷うであろう。知らなければ考えてみる。
(新オレンジプラン)とあるので、もともとあったものを改良したものであることくらいはわかる。
1は「強化」とあり〇ぽい。2はもともとあっただろうという感じで△。3は「発症割合の低減」とあるが、どうやったらできるのか不明。×かな。4は「集中的支援」とあり〇ぽいが少し迷う。5は「推進」とあり〇ぽい。1と5は〇でよさそう。2と4はいずれが正しいか。

【正解1,2,5】

問題 3
介護医療院について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 開設の許可は、市町村長が行う。
2 開設者は、医療法人でなければならない。
3 理美容代の支払いを受けることはできない。
4 居宅介護支援事業者等に対して入所者の情報を提供する際には、あらかじめ文章により入所者の同意を得ておかなければならない。
5 都道府県知事の承認を受けて、医師以外の者を管理者にすることができる。
 
★★★ 消去法で解くとよい。
1は他の介護保険施設(特養、老健)との比較からしておかしな内容であり、×ぽい。2も介護保険施設であり、少なくとも社会福祉法人なら開設者になれる気がするので×ぽい。3は明らかに×(過去に別の施設で聞かれたことがあるはず)。4は個人情報の観点から考えて〇。5は原則を医師としつつ、都道府県知事の承認を得て、医師以外の者を管理者にすることができるという、例外くらいは許されてよさそう△。

【正解4,5】

問題 4
介護保険制度における国又は地方公共団体の事務又は責務として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 国は、第2号被保険者負担率を定める。
2 都道府県は、介護報酬の算定基準を定める。
3 国及び地方公共団体は、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図る。
4 国は、財政安定化基金を設置する。
5 市町村の長は、居宅介護支援事業所を指定する。
 
★★★ 国と地方公共団体の役割分担と基本概念の組合せから柔軟に考えれば答えを導ける問題である。
1の「第2号被保険者負担率」は制度の骨格部分であり国が定めるとの結論は〇。2の「介護報酬の算定基準」も全国一律に定めるべき内容といえるが、それを「都道府県」としている点で×ぽい。3は特に問題のない記述であり、〇ぽい。4の財政安定化基金は、国ではなく、保険者である市町村を束ねる都道府県の役割と気づけるかどうか。×である(財政安定化基金が都道府県に設置されることは知っておくべき知識である)。5は改正のあったところである。〇である。

【正解は1,3,5】

問題 5
介護保険の被保険者資格について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 居住する市町村から転出した場合は、その翌日から転出先の市町村の被保険者となる。
2 被保険者が死亡した場合は、死亡届が提出された日から被保険者資格を喪失する。
3 第2号被保険者が医療保険加入者でなくなった場合は、その日から被保険者資格を喪失する。
4 障害者総合支援法による指定障害者支援施設を退所した者が介護保険施設に入所した場合は、当該障害者支援施設入所前の住所地の市町村の被保険者となる。
5 第2号被保険者資格の取得の届出は、原則として本人が行わなければならない。
 
★★★★★ 決め手になるのは、選択肢1についての正確な知識の有無である。
1は知らなければ△(※資格の取得時期は当日なので×)。2は×である。死亡した日に死亡届を出した場合、その提出した日から保険者資格を喪失するのは不都合があると感じるはずである。また、反対に死亡届を3日後に出したとしたら、不必要な期間も被保険者として認めることになり、それも変だと感じるはず。それらは死亡届を基準にしたことによるものだと気づければよい。3は「医療保険加入者でなくなった場合は、その日から被保険者資格を喪失する」としても、特に不都合はない。国民皆保険のもとでこのようなことが起こるのかと思うかもしれないが、生活保護を受給した場合にはこうしたケースが発生する。〇である。知識として有していないと1と同様に迷う可能性はある。4は記述の内容を冷静に分析できるかがポイントである。住所地特例は介護保険施設等に入所した場合の特例であり、介護保険施設入所前の住所地の保険者がそのまま被保険者の面倒をみるようにさせるものである。設問では、この住所地特例を素直にあてはめ、当該障害者支援施設入所中の住所地の市町村の被保険者となるのではないかと考えて、×とした人もいるかもしれない。
しかし、「障害者総合支援法による指定障害者支援施設」は介護保険の適用除外施設である。ここから、介護保険の住所地特例との関係では、「当該障害者支援施設入所前の住所地の市町村の被保険者となる」のではないかと考えられればよい。〇である。なお、この取り扱いは平成30年4月からであり、かなりマニアックな知識である。5は「第2号被保険者資格の取得の届出」が通常は医療保険と一体に行われることに気づけば×と判断できるであろう。実際、各人が勤務している会社、法人が行うのが通常ではないだろうか。

★問題5を正解するのに、必要な知識★
①引越しをした時の被保険者の扱い:転出する市町村→その日に効力を失う。/転入した市町村→その日に効力が発生する。
②死亡した時の被保険者の扱い:死亡した日の翌日に効力を失う。
③住所地特例施設:介護保険施設/特定施設(軽費老人ホーム、養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅)/老人福祉法第20条の4に規定する養護老人ホーム

【正解3,4】