1.人体の構造と機能及び疾病(R元年-第32回)

問題1 人体の構造と機能に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 視覚は, 後頭葉を中枢とする。
2 腸管は, 口側より, 空腸, 回腸, 十二指腸, 大腸の順序である。
3 肺でガス交換された血液は, 肺動脈で心臓へと運ばれる。
4 横隔膜は, 消化管の嬬動(ぜんどう)に関わる。
5 副甲状腺ホルモンは, カリウム代謝をつかさどる。
 
人体の機能の全般的な問題です。知識がないと解けない問題である。
1が〇である。この肢は、過去問㉕問3肢2で問われている。気になっていたので、直前対策で何度も話していたらズバリ出題された。2は「十二指腸、空、回(じゅうにしちょう・くう・かい)」の順なので×。3は肺静脈で心臓へ運ばれるので×。4の横隔膜は肺の動きに関わるので×。5は知らないとお手上げ。しかし、1が〇であることがわかれば積極法で解ける。

【正解1】

 

問題2 高齢者の脱水に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 体全体の水分量は, 若年者と変わらない。
2 喉の渇きを感じやすいため, 脱水になりにくい。
3 1日の水分摂取最は, 若年者より多い。
4 降圧利尿薬の服用は, 脱水の原因にならない。
5 腎臓による水の再吸収能力が, 低下している。
 
1から4が×だと考えられるので、消去法で〇ではないかと推測できる。
この手の問題は、何となくでもよいので、高齢者の特徴を思い浮かべながら解いて欲しい。
1は、若年者より少なそうなので×。2は、喉の渇きを感じにくそうだし、脱水になりにくいとはいえないであろう。×ぽい。3は、普通に考えて若年者より少なそう。×ぽい。4は、利尿薬を服用すれば、水分を意図的に排出する以上、脱水の原因になりうると推測できる。×ぽい。5は、知識がないと自信を持って答えられないが、消去法で正解を導く。

【正解5】


問題3 消化器の構造と機能に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 唾液には, 消化酵素は含まれない。
2 胃粘膜からは, 強アルカリ性の消化液が分泌される。
3 膵臓(すいぞう)には, 内分泌腺と外分泌腺がある。
4 小腸は, 水分を吸収しない。
5 胆汁は, 胆のうで作られる。
 
これは知識がないときつい問題である。
1は、唾液にも消化酵素は含まれていそうなので×ぽい。2は、消化に必要なものなので、酸性ではないかと思われるので×ぽい。3は知らなければ△。4は、水分を吸収するのは主として大腸であるが(これは知っている人が多いだろう)、小腸が水分を吸収しないとまでは言えない気がする。×ぽい。5は知らなければ△。基本的知識と推論を駆使しても3と5のいずれが正しいかは、より細かい知識がないと決めるのは難しい。

【正解3】

問題4 事例を読んで, 国際生活機能分類(ICF)に基づいて分類する場合, 正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
A さん(50 歳男性)は, 脳出血により片麻痺(まひ)を残したが, リハビリテーションによって杖(つえ)と下肢装具を用いた自立歩行を獲得し, 復職を達成した。混雑時の通勤の負担と, 思うようにならない気分の落ち込みから仕事を休みがちとなったが, 職場より出勤時間の調整が図られ, 仕事を再開するに至った。
1 片麻痺は,「活動」に分類される。
2 歩行は,「心身機能・身体構造」に分類される。
3 歩行に用いた杖と下肢装具は,「個人因子」に分類される。
4 気分の落ち込みは,「活動」に分類される。
5 出勤時間調整の職場の配慮は,「環境因子」に分類される。
 
ICFについての理解は必須の基礎知識である。あとは素直に考えてみればよい。 
ちなみに、ICFのキーワードが抜けていても、問題文を読むうちに「参加」以外の要素はすべて出ていることに気づく。これは出題者の配慮であろう。
1は「心身機能・身体構造」だろうから×。2は「活動」だろから×。歩行に用いた杖と下肢装具は、少なくとも「個人因子」ではなさそう。×ぽい。4の気分の落ち込みは「個人因子」ぽい。×であろう。5は、そうかなという記述であり〇ぽい。

【正解5】

問題5 1978年にWHOが採択したアルマ・アタ宣言に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 先進国と開発途上国間における人々の健康状態の不平等について言及している。
2 政府の責任についての言及はない。
3 自己決定権についての言及はない。
4 保健ニーズに対応する第一義的責任は, 専門職個人にあると言及している。
5 地域, 国家, その他の利用可能な資源の活用についての言及はない。
 
本問の知識がなければ、すべての肢を読んで比較して決めるしかない。消去法で無難な肢を選ぼう。 
アルマ・アタ宣言は過去問でも問われているが、詳細まで押さえている人は少ないだろう。
1は知らなければ△。2は、政府の責任についての言及はありそうなので、×ぽい。3も自己決定権についての言及はありそうなので×ぽい。4は、常識的に考えておかしな内容である。×ぽい。5も記述のような資源の活用についての言及はありそうなので×ぽい。

【正解1】

問題6 次のうち, 脳血管性認知症の特徴的な症状として, 適切なものを2つ選びなさい。
1 パーキンソン症状
2 まだら認知症
3 幻視
4 感情失禁
5 常同行動
 
脳血管性認知症の特徴を聞くオーソドックスな問題である。
1は×(レビー小体型の特徴である)。2は〇。3の幻視はレビーの特徴であり×。4の感情失禁は脳血管性認知症の特徴であり〇。5は少なくとも脳血管性認知症の特徴としては一般には言われていない。

【正解2,4】

問題7 近年のリハビリテーションに関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 がんは, リハビリテーションの対象とはならない。
2 内部障害は, リハビリテーションの対象とはならない。
3 脳卒中のリハビリテーションは, 急性期, 回復期, 生活期(維持期)に分けられる。
4 リハビリテーションは, 機能回復訓練に限定される。
5 リハビリテーションを担う職種には, 言語聴覚士は含まれない。
 
近年のリハビリテーションの内容は広くて豊富である。この程度の知識があれば解けるであろう。
1はがんを除く理由が不明であり×。2も内部障害を除く理由が不明であり×。3はとりあえず○ぽい内容である。4は、機能回復訓練に限定されるとの部分が×ぽい。5は当然×である。

【正解3】