1.人体の構造と機能及び疾病(R2年-第33回)

問題 1 人の成長と老化に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生後2か月では,寝返りが打てる。
2 思春期には,第一次性徴が出現する。
3 青年期の終わりは,身体の成長が最も著しい時期である。
4 20歳頃には,生殖器系の成長が最も著しくなる。
5 老年期には,収縮期血圧が上昇する。
 
本問のような問題は、無理に思い出そうとするより、実体験と感覚で解く方が効果的。
もし、分からなければ、すべての選択肢の中で、最も無難な選択を選ぶ!
 
1は、2か月では無理だろうと突っ込みたい。×である。
2は、何となくよさそうな記述であるが、絶対の自信がなければ△にして先に進む。
3は、青年期の終わりであれば、身体の成長が最も著しい時期とはいえなさそう。×ぽい。
4は、生殖器系の成長が最も著しくなるのは、20歳よりも前ではないかという気がする。×ぽい。
5は、老年期には動脈硬化が進むので「収縮期血圧が上昇する」との記述は論理的にも無理がない。

【正解5】

 
問題 2 心臓と血管の構造と機能に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 肺と右心房をつなぐのは,肺静脈である。
2 左心房と左心室の間には,大動脈弁がある。
3 血液は,左心室から大動脈へと流れる。
4 上大静脈と下大静脈は,左心房に開口する。
5 血液は,大動脈から肺に流れる。
 
本問は循環器に関する知識がなければ解くのは困難である。
㉙問3に類問があるが、数年に一度このカテゴリーからの出題がある。出来が悪ければ続けて出される可能性もある。
 
1は、×である。肺と右心房をつなぐのは、肺動脈である。
2は、×である。左心房と左心室の間にあるのは大動脈弁である。
仮に知らなくても、弁は逆流を防ぐ役割のものだということを知っていれば、大動脈弁という名前から考えて、少なくも左心房と左心室の間にはないだろうという 推理はできたのではないか。(※左心室と大動脈の間の逆流を防ぐものだろうと推理できる)。
3は、〇である。血液は左心室から体全体に送られるが、この血液の流れが大(体)動脈である。
4は、×である。大静脈は体全体の老廃物を運びながら右心房へと集まる血液の流れである。
5は、×である。血液は、大動脈から右心房に戻り、肺動脈から肺に流れる。

【正解3】

 

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
心臓から出ていく血液を動脈といい、心臓に入っていく血液を静脈という。心臓は左右にわかれるので計4つの流れを押さえる必要がある。
自分の体の中を思い浮かべて、左心房・左心室から押し出された血液がどのように体の中を流れて循環しているのかをイメージしながら覚えるとよい。
どうしても覚えられない人は、本問を正攻法で解くのは諦めて別の問題に時間を割いたほうがよい。

 
問題 3 健康の概念と健康増進に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 WHOは,健康を身体的,精神的,社会的,スピリチュアルに良好な状態と定義した。
2 「健康日本21」は,一次予防を重視している。
3 健康増進法は,生活習慣病対策を含まない。
4 健康増進は,一次予防には該当しない。
5 健康寿命とは,平均寿命を超えて生存している期間をいう。
 
若干迷うものがあったとしても、2を選べた人が多かったのではないだろうか。
よく勉強していた人の中には1を選んだ人もいたのではないかと思われる。
 
1は、×である。正式な定義にはスピリチュアルは入っていない。
2は、よさそうな内容である。とりあえず△にして先に進む。
3は、×であろう。健康増進法という名前からして、生活習慣病対策を含んでいると考えるのが素直だからである。
4は、×ぽい。健康増進は、健康の普及啓発という点で一次予防の要素があるといってよさそうだからである。
5は、×である。健康寿命は健康でいられる年齢であり、設問のような意味はない。

【正解2】

 

ソーシャルワンカーと一緒にワン🐾ステップUP‼
テキストには、健康を考える上で、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルの4つの要素を挙げているものがある。
しかし、1998年の第101回WHO執行理事会において、「spiritual(霊的)とdynamic(動的)」を加えた新しい健康の定義が検討されたが、賛否両論があり第52回世界保健総会(WHO総会)の議案とすることが決定された。そして、WHO総会で審議した結果、その採択が見送られたため、WHOの定義の中には「スピリチュアルに」は含まれていない。

 

問題 4 日本におけるがん(悪性新生物)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 近年において,がんは死因の第2位となっている。
2 がんと食生活は関係がない。
3 早期発見を目的とするがん検診は,がんの一次予防である。
4 近年の傾向として,胃がんの「死亡率」は低下している。
5 がんの治療は,手術療法に限られる。
(注) 「死亡率」とは,年齢構成を基準人口で調整した「年齢調整死亡率」を指す。
 
消去法で4を選ぶのが無難ではないだろうか。
 
1は、×ぽい。死因の1位はがんである。
2は、×ぽい。関係がないとは言い切れないだろうからである。食生活の変化が大腸がんの増加と関係しているといった話も聞いたことがあるし。
3は、×ぽい。一次予防は普及啓発だが、がん検診は早期発見のためのものなので二次予防ではないかと考えよう。
4は、知らないと自信を持って答えられないので、△にして先に進む。
5は、×ぽい。手術療法以外にもありそうだし、断定的な言い回しに違和感を覚える。事実、放射線治療もがんの有効な治療法である。

【正解4】

 
問題 5 障害に関する次の記述のうち.正しいものを1つ選びなさい。
1 後天性免疫不全症候群による免疫機能障害は,内部障害に該当しない。
2 「難病法」で定められた指定難病患者の全てに.身体障害者手帳が交付される。
3 外傷性脳損傷による注意力の低下は,高次脳機能障害の症状の一つである。
4  一つの疾患から,複数の身体機能の障害を来すことはない。
5 糖尿病による視覚障害では,身体障害者手帳を取得できない。
(注) 「難病法」とは,「難病の患者に対する医療等に関する法律」のことである。
 
個々の記述について十分な知識がないのであれば、消去法で解くのがよい。
すべての肢を比較した場合、一番無難な記述は3だと思われる。
 
1は、×ぽい。内部障害というと心臓や腎臓の疾患が思い浮かぶが、後天性免疫不全症候群も内部障害に含めてもよさそうな気がする。
2は、×ぽい。難病と身体障害者手帳の関係が聞かれているが、「指定難病患者の全てに身体障害者手帳が交付される」との部分には違和感がある。
3は、記述全体を読むと〇ぽい印象を受ける。特に間違えているといえるような部分もない。とりあえず△にして先に進む。
4は、合併症という言葉を知っていれば、自信を持って×にできる。仮に、知らなかったとしても、断定的な言い回しに加え、内容にも違和感がある。×ぽい。
5は、原因を問わず視覚障害があれば身体障害者手帳を交付してもよいはずであり、糖尿病を原因疾患とする場合を除く理由が不明である。×ぽい。

【正解3】

 
問題 6 次のうち,精神疾患の診断.統計マニュアル(DSM- 5)において,自閉スペクトラム症(ASD)と診断するための症状に含まれるものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 同一性への固執
2 精神運動制止
3 陰性症状
4 気分の高揚
5 幻覚
 
消去法と自閉スペクトラムのイメージから1を選ぶのが無難であろう。
自閉スペクトラムについて十分な知識があればそれを活かして解けばよい。十分な知識がないときは他の精神疾患に関する知識を駆使して解くしかない。
 
例えば、4はうつ病の5はせん妄などの典型的症状であり、自閉スペクトラムと診断するための症状からは除かれそうである。同様な思考から3も自閉スペクトラムの決定打とはなりにくそうである。残る1と2を比較してみると、自閉スペクトラムの場合、精神運動制止よりも同一性への固執の方がぴったりくるのではないだろうか。

【正解1】

 

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つである。
精神保健福祉士試験では必須の知識だが、社会福祉士試験では㉖問題6で関連する問題が出されているものの、頻出事項とまではいえない。
こうした問題では、直感だけでなく、社会福祉士試験でよく出る精神疾患(統合失調症、双極性障害など)で学んだことを活かしながら、その場で考えて解くしかない。曖昧な知識に頼るよりも、そのほうがよい結果を導けるように思う。

 

問題 7 リハビリテーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選び なさい。
1 学校教育では行われない。
2 急性期治療を終えてから開始される。
3 補装具の処方による代償的・適応的アプローチは含まれない。
4 介護保険制度によるサービスとしては提供されない。
5 将来的な筋力低下が予想される場合の予防的アプローチが含まれる。
 
リハビリテーションの理解は、過去問でも問われているものである。
㉔問7、㉖問7など参照し、過去問学習で理解を深めよう。
 
1は、×である。普通に考えても誤りだと感じられる。
2は、一見するとよさそうに感じるかもしれないが、急性期リハという言葉があるように、急性期治療と同時並行で行われてもよいのではないかと感じて欲しいところである。
3は、×っぽい。このようなアプローチもリハビリテーションに含めてよいであろう。
4は、×である。介護保険のサービスにリハビリテーションがあることを知っていれば(知っている必要があると思うが)、すぐに×だと判断できる。
5は、リハビリテーション≒回復というイメージから、予防的アプローチは含まれないのではないかと考えさせて受験生を惑わせることを意図したのであろう。しかし、この5が正解である。普通に考えても、リハビリテーションにおいて予防的アプローチが行われることは容易に想像できるのではないだろうか。

【正解5】

 

ソーシャルワンカーと一緒にワン🐾ステップUP‼
リハビリテーションは、障害者が環境に適応するための訓練を行うことばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。
すなわち、リハビリテーションとは、回復のための訓練といった狭いものではないということである。